「静かな豊かさ」やってみよう

つぶやき

今日、井形慶子著『お金とモノから解放されるイギリスの知恵』(大和書房、2001年刊)を読み、深い感銘を受けた。この本は、著者が60回を超える渡英経験を通じて観察したイギリス庶民の暮らしぶりを描き、「ケチ」「古い物好き」「頑固」と揶揄されがちな彼らの生き方が、実は無駄を省き、古いものを大切にし、お金やモノに縛られない本当の豊かさを体現していることを教えてくれる内容である。

読後に決めた10の指針

流行に流されず、質素だが上質な日常を貫くイギリスの知恵は、現代日本で過剰消費・過剰不安に苛まれる私たちに、静かな解放の道を示している。この本から得た学びを、今年52歳になる私の人生方針としてまとめようと思いこの記事を書こうと思った。

一般的に50代は、子育てやキャリアのピークを過ぎ、老後の入り口に立つタイミングだ。私も残りの人生を「外からの圧力に流されず、内面的なゆとり・安心・本物のつながりを優先する」形で設計する。本のエッセンスを基に、私が抽出した10の指針を、50代の羅針盤として記す。

買い物:「必要性」と「本当に」欲しいものかを吟味

本書では、イギリス人が「安さや流行に飛びつかず、品質の良いものを長く使う」姿勢が繰り返し描かれる。セールや期間限定の策略に乗らず、店主との会話や意外な発見を楽しむ買い方を、私はこれから実践する。つい無駄に衝動買いする自分であるが、無意味に買う後悔をゼロにし、モノではなく「選ぶ過程そのもの」を喜びとする。骨董品や一点ものとの出会いが、人生に深みを加える。

スタイル:時代を超える洗練されたものを「長く」使う

普段破れたりほつれた衣類の縫物で補修する自分は、イギリス人の「古い服やバッグをメンテナンスしながら愛用する」という考えに共感した。流行を追わず静かな品格を醸し出すクラシックなデザインのアイテムを少数精鋭で持ち続ける。タンスからはみ出さない量を、手入れしながら長く使う。これはいい。人と同様モノに対しても「長い付き合い」が重要だ。

プレゼント:金額や実用性ではなく「思い」を贈る

イギリスでは形式的な贈答が少なく、心のこもったものを選ぶ。日本のお中元・お歳暮、ご祝儀・香典のような「お金を渡す」習慣は、相手に施すようで奇妙だと本書も指摘する。私は実用品や金銭を避け、開けた瞬間に記憶に残るものを贈る。新郎新婦への家庭必需品は例外として認めるが、基本は「思いの結晶」だ。これで表面的な社交を超えた絆を築く。

貯蓄:過剰な不安を忘れ、社会保障を信じる

日本人の「20代から老後を心配して貯め込む」姿勢を、本書は奇妙だと評する。日本には皆保険・高額療養費・生活保護などのセーフティネットがあるのに、なぜ収入を使わずに貯蓄に回そうとするのか。なるほど。これからは「安心のための貯蓄」を最小限にし、余裕資金を自己研鑽や経験や人とのつながりに振り向けよう。将来の不安の払しょくよりも今の豊かさを優先する。

住居:手をかけて「自分色」に染める

イギリスの家は中古が主流で、アンティーク家具やお気に入りのソファーでくつろぎ、手入れしながら住む。新築は多くの人が欲しがるプレミアムとして住宅メーカーの手数料が多く乗っているわけだから、実際の価値はそこまでない。住宅に金を使うのであればリフォームや家具にかける。家を「一時的な箱」ではなく、人生を刻む器として大切にし、深みを加えていこう。

近隣環境:便利さより「静かな暮らし」

大型商業施設や病院が近くにあれば便利だろう。しかし本書は便利でも、騒音・交通量で心が休まらないと言う。イギリスの静かな住宅街のように、ゆったりとした環境を選ぶ。便利さとゆとりは対極にある。都会の利便性を捨て、散歩や読書の時間を増やし、心の平穏を基盤とする。

食事:シンプルかつ「価値観」を反映

イギリスの食事はメニューが地味で味付けもイマイチと言われる。その質素で変わらない食事に安心感を求め、たまのハレの日の食事に豪華さや手をかけるのを楽しむのがイギリス人だと本書は言う。確かに食事は個人の価値観が反映されるべきだ。長生きを目指す私であれば発酵食品や青魚を意識しつつ、他は適当でよい。食を通じて人生の質を高めよう。

体調管理:「自己免疫力」「自然治癒力」を信じる

気圧や気温を含めた天候に神経質になるのは不安の先取りだ。体は変化に適応するもの。風邪程度なら水分・栄養・睡眠で治す。本書が示すイギリス人の「頑健さ」は、この姿勢から来るのだろう。日常の筋トレとジョギングで免疫力を高めておいて、体調不良時は薬に頼りすぎず、穏やかに体をいたわることにしよう。

人付き合い:出会いと会話を楽しむ

ホームパーティーを推奨する本書。豪華さは不要。ドリンクとスナックで十分。目的はご馳走ではなく、未知の人と知り合うこと。誰をどう呼ぶかに手間をかける。仕事中心の付き合いから離れ、心の通う集まりを増やす。これを自分に当てはめるならオフ会の開催か。そういえば昔一度やった執事カフェの再開もいいな。よしやってみよう。

お金の使い方:人との触れ合い・共有の喜びに投資する

イギリスのパブのように、ぶらりと立ち寄れる社交場が理想。酒でストレスを発散させる日本の飲み会文化は良くない。お金は友達に会う交通費、泊まりがけの訪問、一緒に美術館に行く体験に使う。一人より二人で感想を語り合う方が楽しい。買物にも通じるが自己満足にお金を使い過ぎていた。自己投資は使うにしても、今後は「関係性の深化」にも振り向けよう。

できるかはさておきとりあえず意識

本書が教えてくれたのは、「質素で上質な暮らし」が、実は最大の自由と豊かさであるということ。流行・消費・不安に縛られず、無駄を削ぎ落とすことで、心の余白が生まれ、本当のつながりや静かな喜びが得られる。こうした知恵を羅針盤にして、毎日の選択を丁寧にしていこう。

そんな日々を重ねれば、老後は不安ではなく、充実した時間になる、、、はず。この指針は柔軟に変更・調整しようとは思っているが、根本の価値観—本質を愛し、無駄を省き、つながりを大切にする—は変えないようにしよう。とりあえず明日から、いや今日から積み重ねるか。

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